・東洋医学的な病気の考え方(その1)~万病一元、血液の汚れから生ず~
東洋医学では、2000年も前から「万病一元、血液の汚れから生ず」という言葉があります。
つまり、すべての病気の原因は「血液の汚れ」にあるということです。
本来であれば血液は、肝臓や腎臓で浄化されて大小便で排泄されたり、汗や呼気、痰、鼻水などにより排泄されますが、排泄がうまくいかなかったり、排泄よりも老廃物の蓄積スピードが早い場合には、血液内に汚れがたまっていくことになります。
汚れた血液のことを東洋医学では「瘀血(おけつ)」といいます。「瘀」とは「とどこおる」という意味で、西洋医学的に言えば「血行不良」を意味します。つまり、血液の流れが悪くなることで、小川のようにきれいなせせらぎが、流れが悪くなってドブ川になるように、血液がドロドロになって汚れてくるということです。
この「血液の汚れ」とは、西洋医学的にいうと、たとえば血液中のコレステロールや中性脂肪、糖なども増加するということです。
血液は、全身にある60兆個の細胞に栄養と酸素の供給をしたり、老廃物の回収をする等の役割をしていますが、血液が汚れて流れが悪くなると、
「細胞に栄養・酸素・水を十分に供給できなくなったり」、
「細胞から産出された老廃物を取り去ることが出来なくなったり」します。
そこで、血液が汚れると、体内ではその汚れから何とかして細胞を守ろうとする働きが起こり、その結果、様々な症状としてあらわれると考えられています。
・東洋医学的な病気の考え方(その2)~血液の汚れと様々な症状~
その1では東洋医学では「万病一元、血の汚れから」という考え方があるということ、
そして、体内ではその汚れから何とかして細胞を守ろうとする働きが起こり、その結果、様々な症状としてあらわれると考えられているということをご紹介しました。
ではどういった症状としてあらわれると考えられているのでしょうか?
たとえば、「動脈硬化、高血圧、血栓」や「発疹」、「炎症」、「ガン、出血」など様々な症状が血液の汚れであるといえます。
「動脈硬化、高血圧、血栓」で考えると、
血液がドロドロに汚れていると、体は血液の汚れを浄化する作用として、血液は血管の内壁に汚れを沈着させてでも血液自身を浄化させようとする反応があらわれます。
これが「動脈硬化」となります。
その結果、血液の通り道が細くなるため、心臓はより力を入れて血液を押し出さなければならなり、これが「高血圧」となります。
更に、同じような生活習慣を続けていると、今度は血管の中で血液の汚れ(多すぎるコレステロールや中性脂肪など)を固めてしまい、血液をなんとかサラサラに保とうとします。そのかたまりが「血栓」となります。
この「血栓」にも見られるように、すべての病気には理由があり、身体がより健康になろうとする働きなのだと考えます。
また、「発疹」でいうと
皮膚は身体を外界から保護する器官であると同時に、若干ながら呼吸、吸収、排泄などの働きを行っています。
特に汗腺からの発汗や、皮脂腺からの脂肪の排泄などは、まさしく体内の老廃物の排泄現象といえます。
そこで、血液が汚れると、この皮膚の排泄機能を使って、体外に老廃物を出そうとするメカニズムが働き、その反応として「発疹」としてあらわれると考えられています。
発疹にもジンマシンや湿疹、アトピーなどいろいろな病名がついていますが、それらは人間が後からつけたもので、これらは体内の血液の汚れの排泄現象、つまり血液の浄化反応だと考えられています。
同じように詳細は割愛しますが、「炎症」や「ガン、出血」、またその他の症状も血液の汚れによる浄化反応であると考えられています。
詳しく知りたい方は医師の石原結實先生のご著書をご参考にされるとよくわかると思います。
・東洋医学的な病気の考え方(その3)~血液の汚れる原因~
その2では「万病一元、血液の汚れから生ず」ということで、血液が汚れることによって生ずると様々な症状について紹介しました。
今回は血液が汚れる原因について紹介します。
血液の汚れる主な原因として、大きくは「血行不良」と「食べすぎ」の2つに分けられます。
(1)血行不良
血行不良の原因としては、色々とありますが、主に「からだの冷え」、「からだの歪み」、「運動不足」、「ストレス」等があります。
・からだの歪み
→身体の歪みにより筋肉や骨格のバランスが悪いと、筋肉や関節への負担が大きくなります。
重力に対して身体を支えるためには、
よりたくさんの筋肉を使わなければならなくなり、その状態が長く続くと、
筋肉が固く緊張したままになり(慢性的な筋肉疲労)、
筋肉の間を通る血管を圧迫し、血行不良の原因となり、血液を汚す原因となります。また、エネルギー消耗が多く疲れやすくなります。
・からだの冷え
→からだが冷えると、筋肉が固くなり、体内のあらゆる代謝反応が抑制されるため、
血液内の老廃物や中間代謝物が残留し、血液を汚してしまいます。
・ストレス
→心身に大きなストレスがかかると、体は緊張した状態になり、
副腎からアドレナリンやコルチゾールなどのホルモンが分泌されます。
すると、血管が収縮し、血圧や血糖が上昇します。
こうした状態が長く続くと、血行が阻害され、血液が淀み、血液中のコレステロール、中性脂肪などの老廃物は十分に燃焼される機会を失い、血液が汚れることになります。
・運動不足
→筋肉は体温の約40%以上を産生するといわれており、筋肉を動かして熱が発生することで、血液中の老廃物を燃焼します。
また、筋肉を動かして血管が拡張・収縮を繰り返すことで、血行促進効果も得られるため、淀んだ血液に流れを起こすことで、その浄化に一役買うことも出来ます。運動不足は、それらの効果を期待することが出来ません。
(2)食べすぎ
東洋医学では「消化・吸収は排泄を阻害する」という言葉があります。
食べすぎは栄養素の消化・燃焼を妨げ、老廃物や中間代謝産物を多く作り出し、血液を汚すことになります。
・東洋医学的な病気の考え方(その4)~血液をサラサラにするには~
汚れた血液をサラサラにするために、日常生活の中で簡単に出来る方法を紹介したいと思います。
・からだの歪みの改善
→バランスの崩れた身体を、整えることで筋肉や関節の本来の位置や角度、適切な状態に整えます。
これにより、身体全体に起こる過剰な筋肉の緊張を緩めると共に、血管やリンパ管、神経の圧迫を改善し、
円滑な血液循環が図ることで自然治癒力を十分に発揮することができます。
・入浴
→温熱による血管拡張作用で血行が促進されます。
血流が良くなることによって内臓や筋肉への酸素供給や栄養補給が増し、腎臓や肺からの老廃物の排泄作用も促されます。
また、入浴による静水圧によって皮下の血管やリンパ管が圧迫され、全身の代謝が活発になり、老廃物の燃焼が促進されます。
体の芯まで温めるために、ぬるま湯でゆっくり長く入ることをお薦めします。
・適度な運動
→手軽で簡単に出来るものとしては、ウォーキングがお薦めです。
運動によって筋肉を動かすと筋肉内の毛細血管が収縮拡張します(これをミルキングアクション(乳搾り効果)という)。
これにより、血液を全身に循環させます。
更に、運動して筋肉を動かすと糖や脂肪の燃焼させることが出来るとともに、体熱が上昇して血液の流れが良くなります。
・食生活の改善(食べすぎの改善)
→「腹八分」を心がけるとともに、高糖質・高脂肪食を改めることで血液の汚れを予防できます。
・笑う
→おかしくて笑っているときは、自然に大きく息を吐き、全身の力が抜け、リラックスしている状態といえます。
つまり、心身の固さをほぐすのに、笑うことはとても効果的です。
笑うことにより、体中の緊張が緩み筋肉が柔らかくなることで、血行が促進され自然治癒力も高まります。
みのお腰痛セラピー
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